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【ガーデナーの豊かな食卓】旨さの決め手は素材と道具。

野菜の生い立ちを想像しつつ、調理するのが楽しい。

 泥つきにんじんは皮を残し、じゃがいもはところどころ薄くむいて。知人の畑から直送された野菜の状態を見極めて、的確に包丁を入れていく竹脇さん。切った野菜は塩漬け肉と一緒に鍋へ放り込み、あとは弱火で煮込むだけ。この豪快なコンビーフは、渡英時代に出会った味を自分流にアレンジしたもの。実は竹脇さん、イギリスで農業を学び、ガーデナーとして働いた経験も持つ写真家なのです。

鍋も洋服も、上質なものが最小限あれば十分。

 「愛着のあるものを数少なく、永く大切に使っていきたい」。そう語る竹脇さんのキッチンに置かれているのは、アンティークの食器や使い込まれた調理器具、そしてル・クルーゼの鍋。長い年月の中で作り上げられた「意味のある素材と形」だからこそ使いやすく、これひとつあれば煮込みからオーブン料理まで事足りるのも理想的だといいます。
 ちなみにル・クルーゼは、渡英時代に知り合った友人の農園でも使われていたそう。オーツ麦を煮るために毎朝酷使され、もはや「一点物」となったその鍋の佇まいを今でも覚えているといいます。そんなエピソードが象徴するとおり、丈夫で永く使えることも愛用したくなる理由だそうです。

料理のコツは、ちゃんと作られたものを選ぶこと。

 東京のど真ん中をベースに暮らす今、やはり求めるのは植物とのつながり。これまで週に何度か通っていた畑を返却したのをきっかけに、今後はもう少し本格的に生産できる場所を借りようかと思案中。自らの労働によって土から食べ物を作ることが、本当の豊かさだと考えているから―。
 ところで、ル・クルーゼで2時間煮込んだ特製コンビーフ。肉はホロホロ、野菜はホクホク、スープにも旨みがぎっしり。「ちゃんとした素材を、ちゃんとした道具で調理することが大切」という言葉を裏付ける、滋味あふれる逸品でした。

竹脇虎彦さん

写真家/ガーデナー/the MIDTOKYO gallery & studio代表。’99年に渡英し、フォトグラファーとしてカントリーサイドの撮影を行ううちに農業に魅せられる。現地でバイオダイナミック農法を学び、3年間ガーデナーとして野菜やハーブの生産に従事したのち、’07年に帰国。現在は東京をベースに活動している。

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